目次
- 1 藍染の法被と私
- 2 藍染とは
- 3 藍は生きている
- 4 オリジナル商品発売中
藍染の法被と私
ここ浜松市では、5月の端午の節句が近づくと、街は藍色で溢れます。伝統ある「浜松祭り」ではGWの3日間、参加者は藍染(あいぞめ)の法被(はっぴ)を羽織って、初子を祝う凧を揚げ、ラッパを鳴らしながら屋台を引いて練り歩きます。雪駄を鳴らしながら歩く人々の法被姿や、ベランダに干されている法被には、おろしたての鮮やかな藍から、長年愛用されて色褪せた藍色まで、濃淡さまざまな藍色があります。ベテランの方が羽織っている法被の藍色は、なんとも言えない「渋さ」や「格」がにじみ出ていて、かっこいいのです。私は生まれも育ちも浜松ではありませんが、浜松に来て約20年、毎年この光景を眺めてきました。 今回IKS COLLECTIONの藍シリーズを展開するにあたり、改めて藍染めの魅力や奥深さを考えてみると、自分も伝統の藍色にとても愛着を感じていると気付きました。
藍染とは
藍染は蓼藍(たであい)という植物の葉を発酵させ、染め液を作り、甕(かめ)の中で色を調整しながら染め上げていく染色技法です。現在も特に盛んなのが、徳島県です。西暦900年頃中国から日本に伝わった栽培法を、当時の藩士蜂須賀公が吉野川流域の気候風土が藍の栽培に適していると認め、阿波の地に伝えたと言われています。また藍染は、実用面でも虫や蛇を寄せつけないことから、昔から山や畑作業にも重宝されてきました。保温性にも優れ、皮膚を保護してくれる薬効もあると言われており、衣料にとても適しています。
甕で染める様子
蓼藍の畑(徳島県徳島市)
藍は生きている
藍色の種類はなんと、48色もあるそうです。「紺(こん)」や「空色(そらいろ)」、「浅葱(あさぎ)」など、聞き慣れた色の他に、40個以上も藍色の種類があるとは驚きます。これだけ細かく色の違いを見分けるということは、藍色が古くから日本人に愛され、親しまれてきたのだということがわかります。明治時代に日本を訪れたイギリス人化学者のロバート・ウィリアム・アトキンソンが町中にあふれている藍染の着物やのれんを見て「ジャパンブルー」と賞賛したという説があることからも、日本と藍色の深いつながりを感じます。個人的に気になった藍の色を抜粋してカラーチャートにしてみました。
藍白(あいじろ)
甕覗き(かめのぞき)
秘色色(ひそくいろ)
空色(そらいろ)
水浅葱(みずあさぎ)
浅葱(あさぎ)
水縹(みずはなだ)
浅縹(あさはなだ)
縹(はなだ)
青藍(せいらん)
深縹(こきはなだ)
薄藍(うすあい)
花浅葱(はなあさぎ)
花色(はないろ)
高麗納戸(こうらいなんど)
鉄(てつ)
藍(あい)
濃藍(こしあい)
紺(こん)
鉄紺(てつこん)
藍鉄(あいてつ)
茄子紺(なすこん)
搗色(かちいろ)
留紺(とめこん)
オリジナル商品発売中
IKS COLLECTIONでは、オーガニックコットンを徳島県阿波産地で藍染した商品を展開し『モダンな暮らしIKS 公式通販サイト』にてオンラインの販売を行っております。藍染の中でもオーソドックスな藍色と少し緑味のある中間色の浅葱色をセレクトしまして、マスク、あづま袋、メーカーならではの生地カット「手ぬぐい」サイズの90㎝の3アイテムを展開しております。
モダンな暮らしIKS(公式通販サイト):https://www.rakuten.ne.jp/gold/iks/