てぬぐい あれこれ

てぬぐいの魅力

「てぬぐい」と聞くと、「おじいさんの汗拭き」「おばあちゃんのほっかむり(頬かむり)」が思い浮かんだり、「ひょっとこ」「剣道部」の印象が強かったりと、「使い方がいまいちわからない」そんな声をよく耳にします。わたしもてぬぐいに出会う前はそのようなイメージを抱いていました。浜松市は注染染めの一大産地。ここに住み始め、注染てぬぐいのことを知っていく中で、見方が180度変わり、今では手放せないアイテムとなっています。てぬぐい初心者だった私をここまで虜にした注染てぬぐいの魅力とは、一体何なのでしょうか。それは、「何ものにでもなれる」です。たった一枚の布があらゆる場面で活躍する、魅力たっぷりの使い方をこれからご紹介します。

てぬぐいの使い方

「てぬぐい」という名前がついているからには、手を拭うことができます。また、「拭う」以外にも「包む」「巻く」「飾る」「敷く」「隠す」「作る」など、本当にたくさんの使い方があります。 これからご紹介する手ぬぐい活用術をマスターすれば、あなたもてぬぐいの虜になること、間違いありません!

『拭う/ぬぐう』

「ハンカチ代わりにしたり、洗顔後のタオル代わりに顔を拭いたりできます。この顔を拭く良さは個人的に声を大にして言いたいです。洗顔後にタオルで顔を拭くと毛羽が残っている感じがして気になってしまいますが、てぬぐいだとそれがないのです。また拭う用途は他にも、食器を洗った後のお布巾として、おしぼりとしてなどキッチンでも活躍します。使い終わったら風通しの良い場所に掛けておくだけですぐに乾燥するので、衛生面でも安心感があります。

ハンカチ代わりにボタニカル柄:のびやかに咲くバラやスズランがナチュラルで可愛らしい注染てぬぐい。

タオルとしてモロッカン柄:モスクのタイル装飾を彷彿とさせる幾何学模様の注染てぬぐい。

お布巾としてレンコン柄:先の見通しがよくなりますように」と古くから縁起物として扱われるレンコン柄の注染てぬぐい。

おしぼりにもえだまめ柄:夏のビールのおつまみといえばコレ!えだまめ柄の注染てぬぐい。

『巻く/まく』

てぬぐいの綿生地は丈夫に結べるので、お弁当はもちろん、水滴のつきやすいペットボトルなどにも最適です。また、用途に合わせて柄を選び、ラッピングとしてお酒を包むのも趣があります。

ほっかむり空と雲柄:背景に広がる空色のグラデーションにもくもくと浮かぶ雲がキュートな注染てぬぐい。

日焼け防止に市松柄:和柄としても洋柄としても使用できる、時代を越えて愛される市松柄の注染てぬぐい。

保冷剤を入れてよろけ縞柄:波がよろけたような形に見えることから名づけらた「よろけ縞」柄の注染てぬぐい。

寒さ対策市松柄:和柄としても洋柄としても使用できる、時代を越えて愛される市松柄の注染てぬぐい。

その他

てぬぐいを額に入れたり、ファブリックボードを手作りしたり、インテリアとして飾れます。ランチョンマットやテーブルランナーにすれば、食卓を華やかに彩ります。また、ヘアアクセサリーのバンダナとしてオシャレを楽んでみてはいかがでしょうか。上級者編としては、お着物を着る際に半衿にしてコーディネートを楽しむのもおすすめです。

インテリアとして春の散歩道柄:春を満喫できる、「桜・木苺・菜の花」柄の注染てぬぐい。

テーブルランナーやランチョンマットにキッチン柄:キッチンにある道具や食器がいっぱいに散りばめられた北欧風な注染てぬぐい。

ヘアバンドに海辺の散歩道柄:海辺に敷き詰められた、たくさんの貝殻が可愛らしい注染てぬぐい。

半襟として絞り柄:豆粒のような小さな丸が並ぶ愛らしい注染手ぬぐい。

『飾る/かざる』

その他にもアイデア次第で変幻自在に姿を変えてしまうてぬぐい。たとえばカフェカーテンとして窓に付けたり、棚に設置して中身を隠したりするのも、かわいいてぬぐいだと気分が上がりますよね。ご祝儀袋をてぬぐいで代用すると、華やかな印象になります。 また、これから夏本番の季節、浴衣を着る際に、補正として使うこともできます。着物を着るときは汗をかきやすいので、吸水性も速乾性もあるてぬぐいはもってこいなのです。

カフェカーテンとしてカモメ柄:海の爽やかで美しい情景が瞼の裏に浮かぶ注染てぬぐい。

目隠しにドット柄: 大小さまざまなドットで構成され、シンプルなのにどこか個性的な注染てぬぐい。

ご祝儀袋にひょうたん柄:お祝い事にぴったりなモチーフと配色の注染てぬぐい。

着付けの補正にネリオ柄:日本を代表する障子や畳、格子などからインスピレーションを受けた注染てぬぐい。

作る/つくる

手芸で生地として使用する際にも利点があります。生地幅が約35cmと小幅なため、生地の耳があります。その耳を利用すれば、解れ防止の三つ折りをする必要がなく、手間いらず!実はお裁縫好きさんの間で、てぬぐいは人知れず人気者なのです。

好きな柄のてぬぐいを用意しよう!

①手ぬぐいの左右を細く三つ折りして縫う。
②おもて綿を上にして右から1/3のところを折りあげて★と★を合わせる。
③★部分を縫う。

④左から1/3のところを折りあげて♥と♥を合わせる。
⑤♥部分を縫う。
⑥ひっくり返す。

⑦完成!ちょっとしたお買い物にピッタリなあづま袋のできあがり!

手ぬぐいの楽しみ方

「てぬぐいは使えば使うほど生地の風合いが良くなり、育てる感覚になり、愛着もわきます。てぬぐいの最大の特徴である「端を縫わずに切りっぱなし」ですが、縫い目がない分、乾きが速く、汚れやほこりがたまらず、衛生的です。お洗濯等で多少ほつれが出てきますが、引っ張らずにはさみで切ってご使用ください。てぬぐいは染め物のため色落ちがありますのでお洗濯はたっぷりのお水で手洗いを推奨しております。また、洗剤を使用すると洗剤の漂白作用により急激に色落ちすることがあります。塩素系漂白剤入り洗剤や、アルカリ性の強い洗剤を使用すると生地が傷みやすくなります。干す際は、シワを伸ばして日陰干しを推奨します。他のものに色が移る可能性がありますので、濡れたままで放置しないでください。昔ながらの染め方なので、扱い方が今の時代には合わないのかもしれませんが、それさえも楽しんで自分好みに育て上げる手間暇は「てぬぐいの楽しみ方」なのではないでしょうか。

切りっぱなし

はさみで切る

たっぷりのお水で手洗い

シワを伸ばして日陰干し

オンラインショップのIKS COLLECTIONの手ぬぐい

公式オンラインショップ『モダンな暮らしIKS』で販売しているIKS COLLECTIONのてぬぐいは「注染(ちゅうせん)」という伝統的な染色技法で染められています。注染とは、染料を生地の裏面まで浸透させて染めることから、通気性よく仕上がるのが特徴です。プリントの場合、染料で生地の穴を塞いでしまい、空気の通りが悪くなってしまうことがあるのです。
また、生地は昔からてぬぐいの生地として愛され続けている「総理」と呼ばれるものを使用しています。太目の糸を使い、ざっくり織られているため、水通し、風通しが良く乾きやすいです。注染という染め方も手伝って、より一層乾きやすいのが特長となっております。
※注染について詳しくはこちらをご覧ください。
特集「注染の伝統を今に受け継ぎます」:https://test2.enomoto-hamamatu.co.jp/emt/chusen01/

このおすすめの注染てぬぐいをよりたくさんの方に、より多くの場面で利用してほしいという思いから、榎本では絵柄の大きさにもこだわっております。注染は約90㎝の長い型紙を使うことから、その大きさを目一杯に使った1つの絵画のようなてぬぐいを染められるのですが、IKS COLLECTIONのてぬぐいでは敢えて小さめの柄にすることで、汎用性の高いデザインを意識しています。コンパクトにたたんだ時に、どの面が出ても柄が素敵にみえるように、また、手芸をされる方にも扱いやすいようにとの思いを込め、企画しています。
IKSCOLLECTION注染てぬぐいは『モダンな暮らしIKS』にて販売しております。真夏を迎える準備に、ぜひお手にとってみてはいかがでしょうか。

モダンな暮らしIKS(公式通販サイト):https://www.rakuten.ne.jp/gold/iks/